イビススタイルズ マドリッドシティ ラス・ベンタス

_インテリア /2020

プロジェクトタイプ: ホテル
2020年
写真: アルベルト・モンテアグード

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アメリカンンコミックスが到達する遥か以前から、スペインには計り知れない価値を持った漫画が数え切れないほど生み出された黄金時代がありました。

「コミック」という語が広く社会に浸透するよりも前に、漫画はこの国ではシンプルに“tebeo(テベオ)”と呼ばれ、戦後生まれの子供たちを日々の生活の厳しい現実から救い出してくれたものです。イビススタイルズ、マドリードシティ・“ラス・ベンタス”のインテリアデザインのインスピレーションの源はテベオです。

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時代の要請に応えたものか、あるいは偉大な漫画作家たちのシナジーから沸き起ったものか、tebeoの多くは50年代に産声を上げました。 芸術的に論ずるならば、50年代は60年代を革新の10年間として天高く飛翔させるための出力を蓄えていた時代とも言えるでしょう。

50年代は古典と現代を繋ぐ架け橋です。ヨーロッパからアメリカへ亡命した建築家が、今日まで存在感を放ち続ける作品を全霊を注いで創り出していた時代です。サーリネン、ヤコブセン、イームズといった巨匠は前衛芸術の萌芽の時代にくっきりと足跡を残しました。60余年の歳月を経てなお現在の名建築にインスピレーションを与え影響を及ぼしています。

テベオのむらのない色調に着想を得ました。4色刷りという制約を受けながらも時にパステル画調のようにニュアンスを巧みに描き分け、常に完璧な色彩を生み出していた僕らのテベオ。本プロジェクトで演出したかった温かみや繊細さをこれほどまで忠実に具現化してくれるモチーフは他に考えられませんでした。

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資材も厳選を重ねました。予算の点からも、そして環境への配慮を徹底するためにも有意義な絞り込みに取り組みました。各素材がその個性と特質を存分に発揮できるように、そして個々のエレメントの真価が宿泊客の五感にしっかりと訴えて彼らのハートをがっちり掴むようにと、趣向を凝らしました。

コミックのプロットが生み出す世界が本プロジェクトの仕上げ・テクスチャ・エフェクトにインスピレーションを与えたのは言うまでもありません。ディテールの意義を適確に読み取って我が物として取り込むのが私たちの手法です。他分野の原理に重ね合わせて解釈することで、ディテールが五感に喜びをもたらすのです。

これはまさにスペイン大衆文化史の1ページ。マドリッドで博物館や劇場以外の文化的価値を発見したいと願う人々に体感していただければ幸いです。

 

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